飴樂茶碗 銘 園城(おんじょう) 個人蔵 その冒頭、宗屋さんが光悦の飴釉茶碗「園城(おんじょう)」で濃茶を練るシーンがありました。 茶の湯を嗜む人の数、茶道人口は年々減少が続き、高齢化が急速に進行中。「このままでは茶の湯文化も先細るばかり」だという危惧を、千宗屋さんも樂吉左衞門さんも恐らく抱いておられるのではないか。 門弟が減り続け、茶道文化が衰退してゆく…ということは同時にその周辺で生きる人々の生業も衰退してゆくということであり… 茶の湯に秘蔵主義的な、ある意味閉鎖的な側面があることは否めないでしょう。“一部のスノッブによる閉じたサロン的遊び”であっては、いずれは文化としても大人の遊びとしても立ち行かなくなる。 千宗屋さん、樂吉左衞門さん、ともにご自身のフィールドで、茶の湯を次代へと“開く”ための様々な試みをされています。 飴釉茶碗「園城」は宗屋さんが濃茶を練るという“本来の姿”でTV画面に映し出されました。ヴァーチャルとは言え、道具を“静態”ではなく“動態”として公開した。 これは“秘蔵文化”からの転換という試みの一環であるのかもしれない…そんなことを感じたのでした。 当ブログの左側、ライフログにある世界文化社刊の『名碗を観る』。林屋晴三さんと千宗屋さん、そして遠州茶道宗家13世の小堀宗実さんによって、光悦茶碗を含む名だたる名碗の“本来の姿”が美麗な写真で紹介されています。オススメです。
by otogoze
| 2012-02-28 01:21
| 雑記
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