桜前線は被災地である仙台まで北上したようです。同様の被災地である関東では各地で満開。 早く咲き始めたところでは散り始め、桜吹雪や花筏に…。 自宅の周囲の山々にも春霞がたなびき、淡萌黄と桜色が重なり、滲み、まるで俵屋宗達の画に見られる“たらしこみ”のようなパステル調の濃淡に彩られています。 春爛漫…。自然が綾なす春のタペストリー…。この国の春は変わらず美しい。 山田山庵 赤楽茶碗 銘 蓬莱(ほうらい) 東日本だけでなく西日本の各地でも、桜まつりの中止や花見の自粛が相次いでいます。しかし、あえて言いたいと思うのです。一年に一度巡ってくるこの季節を、桜の花を愛でてください。花見に出かけてください。 山田山庵 赤楽茶碗 銘 早春譜(そうしゅんふ) 酒宴はなくとも、やわらかな日差しの下、親しい人々や仲間たちとおだやかに桜を愛でる。子供たちの歓声と楽しげな笑い声。それはありふれた、平和な、春の一日の光景。 そのありふれた光景の中に身を置けば、変わらぬ日常があり続けることのありがたさが身に沁みるでしょう。 ありふれた日常こそが奇跡であることを感じるでしょう。 そして、そのありふれた、しかし、かけがえのない日常を一瞬にして奪われた人々の哀しみに、慟哭に寄り添いましょう。祈りましょう。 本阿弥光悦 赤樂茶碗 銘 祗王(ぎおう) 花見に出かけましょう。 2011年3月11日を決して忘れないために。 再び歩き出すために。
by otogoze
| 2011-04-13 20:51
| 雑記
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